昔の話し

さて、連日というか書いているのはほぼ2日間くらいなんですが、ちょっと昔話しをしましょうか。

その昔、今はカメラメンズの一人の千葉さんとエンジョイライトウエイトでブービー賞を争い、今をときめくKINGがエンジョイミドルでアタシとじゃれてくれてた頃だから2000年とか2001年くらいの話し。

そのころのルールに「転んだら元のポジション順位に戻れる」ってのがあった。で、どうなるのか。ちょっともったいぶりましょう。

転倒天国 
そのころのデータがないので都合のよい記憶になっている可能性を否定しませんが、転んだからといって罰則はなかった。うーん、あったかもしれないけど実際に適応された選手はいなかったと思う。どうだろうか?そのころを知る、現在も現役を生き残る選手や関係者のみなさん。

ルールとしてはそういう訳で、今と違って転んだら転ぶ前の順位に戻してもらえた。そしてペナルティを課されない。今と同じなのは転ぶと黄旗が上げられてスロー走行になるところ。

この状況で転倒に対する安全マージンをゼロでレースをするとどうなるのか考えて欲しい。

なぜ安全マージンがゼロでもいいのか?それは生命や健康への配慮を欠いたとき、転倒に関するリスクはゼロになるからだ。転倒しても順位を失うこともない。転倒してもポイントを失うこともない。つまり転倒しても健康や生命を失う以外ほとんど失うものがないからだ。

もちろん接触を起こせば他の選手はその影響を受けることになる。しかし、そこに生命や健康への配慮がなかったら……。そう、やはり失うものはほとんどない。わずかに失われるのは車両の部品代くらいだ。

安全マージンゼロのレースとは?回答はおそらくあなたの想像どおりだ。

転倒リスクがゼロになったとき、転倒までのマージンを設けずに走ることができるようになる。100%持ちうる能力を使い切って運に任せてターンに飛び込んで、運が悪ければ転倒する。そして他の選手に接触する。運がよければ他の選手よりも速くターンし順位を上げることができる。なぜなら他の選手は安全マージンを設けて、持ちうる能力を全て使い切る訳ではないからだ。

現在のダートトラックレースだけを知る方には想像できるだろうか。周回毎にイエローが振られ1つのファイナルが15分にも20分にもなる状況が。本来なら長くても20秒*12周で240秒、約4分もあれば終わるレースが15分も続くのだ。リスタートしたと思うと転倒する、バタバタ選手がなぎ倒される。また元の位置に戻ってリスタートする。これが何度も続いて、本当は何週目なのか観客からはわからなくなる。そして、いつの間にかレースはフィニッシュする。

このルールが適切なのか、当時はわからなかった。どうしていいのかもわからなかった。ただ、AMAのルールにはない、と言うことだけはエライシトに教えてもらった。それでもそのときは、なぜAMAにないルールが日本にはあるのか。そのルールがなぜおかしいと感じるのか、端的に分析することはできなかった。そのときのアタシが出した答えは「転倒に作為がある場合でもこのルールでは転ばない参加者が有利転んだ参加者に不利益を受けることにならない」だったと思う。

昔話はここまで。

戻りつつあるもの 
いまはそのルールは改訂されて転んだ参加者には順位を下げるペナルティーが課せられるようになった。

だから転ばない参加者はいつでも有利だ。とはいえ制限はされるのだけど。安全マージンを残し他の選手と競うこと、それはスピードよりも安全を尊重し、自分の生命を尊重し他の参加者の生命を尊重する。

そうして、レースも、参加者も進化してファイナルレースはずいぶんときれいに終えることができるようになった。一度も低速走行を強いられずに終わるレースが多くなった。

昔話の頃から見るとずいぶんと現代的なレースだ。でもこれは本来ある姿にもどりつつあるだけに過ぎない。理想的な状態にもどるまであと少しやらなければならないことがある。

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